無呼吸症候群について、何科?
無呼吸症候群とは、夜間の睡眠中に無呼吸と低呼吸(いびき)を繰り返す病気、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)のことであり、SASと呼ばれています。
通常のような呼吸がしにくくなり10秒以上呼吸が停止する無呼吸状態になることから血液中の酸素濃度が下がったりします。また、血圧が急上昇するため様々な病気を引き起こすこともわかっています。
突然死に陥ることもある病の一種なので、無呼吸症候群について知っておきましょう。
ぜひ参考にしてみてください。
無呼吸症候群は、何科で診察?
睡眠時無呼吸症候群は様々な診療科で診てもらうことができます。
睡眠専門外来や、いびき外来、睡眠時無呼吸外来などの特殊診療科がありますし、耳鼻咽喉科で診断することができます。内科(呼吸器・循環器)や耳鼻咽喉科などでも対応している場合があります。
原因と症状
無呼吸や低呼吸が起きるいびきの原因は、簡単に言うと、空気の通り道が狭くなることにあります。肥満に伴う上気道軟部組織への脂肪沈着や扁桃肥大などから上気道の入り口が閉鎖されて呼吸が苦しくなるものです。
症状としては、睡眠中に断続的に無呼吸が繰り返されるので、同じ部屋に寝ている人は驚かされてしまいますし、起床時には頭痛、体のダルさ、日中眠くなるなどの様々な問題を発症します。
無呼吸症候群のリスク
睡眠中に何度も呼吸が止まるわけですから、血液中の酸素量が足りなくなります。
また、血管系の病気である心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが高まるだけでなく、動脈硬化に陥りやすくなります。
そのまま放置し続けていると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクは健常者の3~4倍となり、また患者の生存率は15年後6割を切るといった報告もあるので注意する必要があります。
さらには、睡眠の分断により日中は眠気を伴うことから交通事故率が健常者の7倍以上にも及ぶばかりか、作業関係者は現場事故も多くなっていることがわかっています。
無呼吸症候群の診断チェック
無呼吸症候群の診断チェックは、自分でも簡単にセルフチエックできる問診があります。
無呼吸症候群の診断チェック
下記内容が一つでも当てはまる場合、「無呼吸症候群の可能性がある」と判定されます。長く続く場合には医療機関の受診をおすすめします。
(※このセルフチェックはSASを診断するものではありません)
ポイント
- 毎晩、大きないびきをかく
- 「睡眠中に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがある
- よく寝たのに朝起きて頭痛がしたり疲れが残っている
- 日中の眠気に悩む(会議中、パソコン作業中、運転中他)
- メタボリックシンドロームの傾向にある
- 息苦しくて目覚めることがある
- 若い頃より、体重が増えて、顔つきが変わったと言われる
無呼吸症候群の簡易検査
自宅でも取扱い可能な検査機器を使って、普段と同じように寝ている間にできる簡易検査があります。手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を調べることができます。睡眠中の呼吸状態やいびきはどうだったか、血中の酸素飽和度はどうなのかが確認できます。
また、そこで異常があった場合は1泊2日の精密検査を受けるようにした方がいいので、詳細は医療機関に相談してみましょう。
無呼吸症候群と肥満型、痩せ型の関係
無呼吸症候群は、これまで肥満型にあるものだとされてきました。ですが、実はそうでもなく痩せたファッションモデルのような人であっても無呼吸症候群は発症します。肥満型の場合、特に成人になってからの肥満は舌も同時に太っていくので、寝た時に空気の通り道である気道が狭くなり睡眠中に呼吸がしにくくなるというものです。
しかしながら、もともと顔が薄い場合は気道も狭いことが多く、ファッションモデルのような人も無呼吸症候群になりやすいのです。また、神経系統の病をもつ高齢者や、扁桃腺が大きかったり、鼻炎があったりして、鼻からのどにかけて何らかの障害がある子どもや若者も、そのリスクが高まるようです。
無呼吸症候群の対策
最大の原因は肥満なので、適正体重を意識するといいでしょう。例えば、適度な運動と規則正しい生活が必要です。男性の場合は30代以降は肉がつきやすくなる傾向があり、罹患率の男女比も2~3:1です。
いつも口呼吸していると咽頭が狭くなりやすいので、鼻呼吸に切り替えましょう。
睡眠薬の常用は避けましょう。眠剤は上気道の拡張筋を緩め、上気道を狭めてしまいます。
禁煙、寝酒はやめ、過度な飲酒も控えます。
アルコールも上気道の拡張筋を緩め、上気道を狭めて無呼吸に陥りやすくなるからです。
仰向けで寝ると、のどの上気道が閉じやすい状態になるので、寝る姿勢を変えて横向きになって寝ることで症状が改善されることもあります。
また、子どもの頃に口を開けて寝る習慣があると、無呼吸症候群になる可能性が高まります。それは、骨格の発達が悪くなることで気道が狭くなりやすくなって起こるものです。子どものうちに親は直しておいてあげた方がいいでしょう。
まとめ
最近「いびき」で医療機関を受診する人が増えています。パートナーに「迷惑をかけたくないから」というだけでなく、いびきの背景にある「病気」に目を向けられているのかもしれませんね。「いびき」が気になる方は、ぜひ、今回の記事を参考にされてみてください。